日本のハラル製品とムスリム対応のサービス
日本におけるハラル製品
日本におけるハラル認証製品やムスリム対応のサービスは年々増加の傾向にあります。空港、高速道路、観光地における礼拝所の設置及びムスリムフレンドリー(ハラール食推進活動)への取り組みは国や自治体も力を入れています。
ハラルの飛騨牛
企業のハラル調味料の開発も目覚ましく、和食のハラル対応が以前よりもぐんと身近になってきました。また、ハラル認証は食品だけではなく医薬品、トイレタリー製品など、肌に直接触れるものにも適用され、分野においては施設全体に対する認証から客室やメニューに対する部分的な認証まで多岐に渡ります。以下ではその代表的なものをご紹介します。
《食品》
- ・調味料(醤油、みりん、味噌、酢、和風だし、めんつゆ)
- ・ソース(たこ焼きソース、お好み焼きソース)
- ・たれ(すき焼きのたれ、焼き肉のたれ、うなぎのたれ、和食万能調味料など)
- ・マヨネーズ
- ・海苔、ふりかけ
- ・練りワサビ
- ・緑茶、抹茶、ほうじ茶
- ・鶏肉(国産)
- ・牛肉(和牛・国産)
- ・和菓子(あられ、せんべい、羊羹、まんじゅう、干し芋など)
- ・洋菓子(カステラ、クッキー、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、 ゼリーなど)
- ・ジュース及びノンアルコール飲料(ノンアルビール・ノンアル日本酒・甘酒など)
- ・小麦粉製品(生麺、パンケーキミックス、天ぷら粉、ラーメン、うどん、そうめん)
- ・カレールゥ
- ・お米、米加工品(米ゲル、米粉麺、米粉パンなど)
- ・大豆加工品(納豆、豆腐、油揚げ、味付けいなり、大豆ミート、大豆麺など)
- ・弁当
- ・レトルト製品(パスタソース、カレー、惣菜、非常食など)
- ・保存食(クッキー、パン、ケーキ、カレー、惣菜など)
- ・食パン、菓子パン
- ・ジャム
- ・ゼラチン
- ・有機酸(食品添加物)
- ・香料
- ・健康食品及び原料
- ・冷凍食品
≪その他≫
- ・化粧品(洗顔、化粧水、保湿クリーム、日焼け止めクリーム、美容液など)
- ・ヘアケア用品(シャンプー、ヘアミルクやオイルなど)
- ・石けん
≪ムスリム対応レストラン≫
- ・ハラル認証店
- ・ムスリム向けメニュー提供店(食材の情報開示、ムスリムフレンドリーなど)
≪ムスリム対応ホテル≫
- ・食事への対応(ハラル認証、ムスリム向けメニュー、ピクトグラム表示など)
- ・礼拝への対応(礼拝場所、時間などのお知らせ、礼拝グッズの貸出など)
≪施設のハラル認証≫
飲食・宿泊施設、と畜場、医療施設、工場及びライン、コンテナ及び保管倉庫など
ムスリムフレンドリーとは
ムスリムフレンドリーとは国の事情を配慮して、カスタマイズされた認証基準及び部分認証のことです。日本でイスラム法に完全に則った、ハラル認証レベルのサービスを実現させるには、豚やアルコールの排除はもちろんのことハラムなものを全て避ける必要があります。それだけではありません。ムスリムの雇用やスタッフの服装、施設の内装など、他にも様々な規定が定められています。ムスリム人口の多い国ではそれらはごく普通なことかもしれませんが非イスラム圏である日本において、全ての基準をクリアすることは容易ではありません。そこで考案されたのが施設の一部やメニューなどがハラルの一定基準をクリアしていることを証明した、ムスリムフレンドリーという部分認証です。ホテルや学食、レストランなどで多くみられるのがこのタイプの認証で、肉などの食品にプリントされているハラルマークとは意味が異なるものです。
例えば店舗全体に対するハラル認証を取得する場合は、豚の成分の排除はもちろんのことお酒の提供もできませんが、ムスリムフレンドリーであればお酒を提供することが可能とされています。しかしお酒を提供するカウンターを別に設けるなど、ハラルと非ハラルが混ざらないシステムであることが前提です。
このようにイスラム法に完全に則っていなくても、ムスリムへの配慮をムスリムフレンドリーやお店のポリシーとして提示し、あとはお客様の判断に委ねるという対応の仕方もあります。また、数あるメニューの一部をイスラムの教えに則って対応している場合は、メニュー認証と呼ぶこともあります。
メニュー認証
出展:シェラトン都ホテル東京より
www.miyakohotels.ne.jp/tokyo/information/halal1/index.html