アジア最大級の食品展示会「THAIFEX – Anuga Asia 2025（5月27日～5月31日）」に参加し、多くの食品・飲料関連ブースを視察する中で、改めて注目すべきと感じたのが、タイにおけるハラル対応OEM工場の存在感です。

会場では、ハラル対応を掲げた企業の出展もあり、「ハラルパビリオン」などイスラム市場を意識したブース構成が見られました。すでに各種ハラル認証を取得済みであることを訴求する企業もあり、輸出に対する意識の高さがうかがえました。

【ハラルブースの様子】

【ハラルブースの様子】

一方、日本国内でハラル対応の製造体制を構築するのは簡単ではありません。
原材料の選定や調達、製造工程の分離、認証取得にかかるコストと手間など、多くの課題が立ちはだかります。
その点、タイにはすでに複数のハラル認証を取得済みのOEM工場が存在し、原料調達から製品化まで一貫してハラル基準で対応できる体制が整っています。
日本企業にとっては、自社で認証体制をゼロから築くよりも、現地製造という選択によって、よりスムーズにイスラム市場へアプローチできるというメリットがあります。
また、タイはビジネス環境や生活面でも日本人にとって親和性が高く、長期的な協業に適した土地です。都市部には日本語表示の施設や日本食レストランが点在し、駐在員にとっても快適な生活環境が整っています。

【タイの日本食材や温泉施設】

【タイの日本食材や温泉施設】

OEMの活用は、単なるコスト削減策ではありません。むしろ、現地パートナーとの信頼関係を築きながら、イスラム市場に最適化された製品開発を実現するための戦略的な選択肢です。展示会では、日本企業との協業に積極的なタイ企業も複数見られました。

イスラム市場への参入を検討している日本の食品メーカーにとって、タイのハラル対応OEM工場は、“戦略的パートナー”としての価値を持つ存在です。
製造委託の枠を超えた共創の相手として、今こそ本格的に検討すべきタイミングに来ています。

OEMを活用したイスラム市場戦略の具体化や現地企業とのマッチングに関心のある方は、ぜひハラル・ジャパン協会までご相談ください。

文責
ハラル・ジャパン協会
ハラルビジネスコンサルタント 田上明日菜