2/17「宮城県ムスリムモニターツアーAコース」レポート
ムスリムから旅行客目線でアドバイスが受けられるモニターツアー
ムスリムモニターツアーは、宮城県内飲食店・お土産屋・宿泊施設の育成、地産商品の拡大を目的としたテストマーケティングです。単にムスリムに観光をしてもらうだけではなく、これまでハラール対応を学んできた宮城県内事業者のもとをムスリムがツアー旅行で訪れて、施設の対応を評価してもらいます。昨年10月からはじまった宮城県ハラール対応食普及推進事業ではこれまで、ハラールの知識を学び、販路拡大のテストマーケティングやムスリム試食会などの実践を行ってきました。その力を試す最終段階のテストの場でもあります。
ムスリムモニターツアーは宮城県のエリアを大きく2つに分けたコースを用意し、1泊2日のバスツアーを2回行いました。参加者は東北大学・山形大学等の地元の留学生や社会人で、おもにインドネシア人のムスリムです。コース内容の詳細は、関係者のみの公開となっておりますので、こちらのレポートではざっくりとご紹介いたします。
2月17日に仙台駅に集合し、バスに乗って6人のムスリムがまずはじめに向かったのは伊豆沼・内沼サンクチュアリセンターです。ここでは伊豆沼・内沼の歴史を学び自然観察などをしました。
その後、歴史資料館や美術館などをいくつか巡りお昼は「割烹若鮨」で食事をしました。料理に含まれる調味料や成分の説明をしていただきました。
ボリュームたっぷりの豪華な天丼御前に皆さん大喜びで食べていました。
午後は南三陸さんさん商店街や魚市場などをまわり、途中の道の駅ではお土産のチェック。
サービスエリアやアウトレットモールなどの商業施設ではハラール対応の食品の試食をして、事業者との意見交換なども行われました。
夜の宿泊は港町の雰囲気が漂う眺望と深層天然温泉が人気の「気仙沼温泉 気仙沼プラザホテル」です。食事はもちろんノンポーク、ノン
マグロカツ、茶碗蒸しなど皆さん美味しいそうに食べていました。
朝食のビュッフェでも、ピクトグラムを使用して豚肉が入っているものとの区別ができるように配慮されていました。
「はじめて温泉に入った」「はじめて浴衣を着た」というムスリムからは、利用の仕方や着方が分からないといった声もありました。食事については若いムスリムほど、日常的な和食に抵抗がなさそうです。一般的に魚よりは肉を好む傾向がありますが、マグロの刺身といちご煮の評価が高かったことには驚きました。食事は気仙沼観光コンベンション協会に勤めるアメリカ人の通訳(写真下中央)に参加していただき、交流を深めながら楽しい時間を過ごしました。
ムスリムと一緒にいるとより多くの気づきがあります。ハラール対応の知識を学ぶことはもちろん重要ですが、一番の理解はムスリムに慣れ親しむことかもしれません。(土岐)