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【水産界】3月号に記事「日本水産業の輸出戦略とハラル市場という選択肢」が掲載されました。

2026.03.09
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日本水産業の輸出戦略とハラル市場という選択肢

― 2026年、水産品はどう勝負するか ―

3月は、日本の自治体をはじめ多くの企業にとって期末・年度末にあたる節目の時期です。2025年度は大阪・関西万博という超大型MICEを経て、訪日外国人数は約4,200万人、前年比15.8%増と過去最高を更新しました。「食の多様性」という概念が一気に広がった1年であったと言えるでしょう。

今月は、いつもの企業インタビューをお休みし、インバウンド拡大と輸出の伸びが見られた現状を踏まえながら、水産分野におけるハラルビジネスの可能性について整理してみたいと思います。

 

■水産品は日本の重要な輸出資産

日本の水産品は、品質、鮮度管理、加工技術、ブランド力の面で世界的評価を得ています。農林水産省が掲げる2030年輸出目標5兆円の中でも、水産分野は中核的役割を担う存在です。

一方で、中国依存リスク、為替変動、物流コスト上昇など、輸出環境の不確実性は高まっています。輸出先の多角化は、もはや選択肢ではなく前提条件とも言えます。中国でもアメリカでもない、第三の新たな市場として、イスラム市場は無視することのできない存在となりました。イスラム市場、すなわちハラル対応は、水産業界にとって一つの戦略的検討テーマになり得るということです。

 

■水産品は「もともとハラル」

基本認識として、水産物(一次産品)は原則としてハラルです。魚介類そのものはそのほとんどがイスラム法上、許容される食品に分類されるため、水産分野はハラル市場との親和性が高い分野と言えます。

ただし注意すべきは加工段階です。
みりん・酒などアルコール由来調味料、動物由来ゼラチンや乳化剤、製造ラインのコンタミネーション、ハラル非対応の添加物などにより、「原料はハラルでも製品は非ハラル」となるケースが発生します。輸出戦略としてハラル市場を視野に入れる場合、製造工程設計段階からの整理が不可欠になります。

 

■イスラム圏は“海がない国”も

東南アジアのイスラム圏には海洋国家も多い一方、中東・中央アジアには海に面していない国も存在します。例えばサウジアラビア、カザフスタン、ウズベキスタンなどでは、水産品の安定供給が課題となる場合があります。特に内陸国では冷凍・加工水産品への依存度が高く、日本の加工技術や品質管理は評価されやすい傾向があります。

 

食べ方いろいろ1             食べ方いろいろ2

 

  

ベトナムのすし店にて           日本のハラル飲食店の一品

 

■価格・ロット・物流という現実的課題

理論上の市場性と実際は別問題です。現場で共通して聞かれる課題は、ロット、冷凍・冷蔵輸送コストの高さ、現地希望価格との乖離です。ハラル市場は人口規模は大きいものの、国ごとの購買力差が大きく、単純に「ムスリム人口◯億人」という捉え方は現実的ではありません。輸出は常に採算とのバランスを踏まえた戦略が求められます。

 

■“自国民向け”ではなく“観光客向け”という発想

一方で、あるイスラムの国では「自国民向け市場」ではなく「自国に来るムスリム旅行者向けに供給したい」というニーズがあると聞きました。このようなニーズは、ターゲットを一般小売市場、高級ホテル・レストラン、観光地外食といったセグメントに分けて考えることで、価格帯設計が大きく変わってきます。観光・MICE需要が拡大する都市では、日本産水産品の高品質プレミアム路線が成立する余地があるということになります。

 

■インバウンドは輸出のテストマーケティング

近年、訪日ムスリム観光客は増加傾向にあり、2025年の訪日客約4,200万人のうち、ムスリム市場は約5%、約200万人規模と推定されます(ハラル・ジャパン協会推定)。訪日外国人の国内消費体験は、帰国後の購買行動につながるケースが少なくありません。すなわち、「インバウンドで試され、アウトバウンドで売れる」という流れです。水産加工品、レトルト商品、冷凍寿司ネタ、和風調味冷凍魚などは、このモデルと相性の良いカテゴリーと言えるでしょう。

 

■2026年、水産業界が考えるべきこと

さて、2026年はインドネシアでハラル制度の厳格化が進むことから、イスラム市場の制度面でも転換期となり、特に食品輸出への影響が予想されます。これに加えて輸出では、当該国への輸出可否や必要手続きの理解が大きな障壁となるケースも少なくありません。輸出においてのハラル対応は単なる宗教対応ではなく、輸出市場を拡張するための「ニッチトップ戦略」として捉えることが重要です。水産品は本質的にハラル適合性が高い分野であり、課題は加工工程と価格設計にあります。

国内市場が縮小する中で、海外輸出、観光需要、高付加価値市場をどのように組み合わせるか。ハラル市場はその有力な選択肢の一つです。ニッチと見るか、将来の基幹市場と見るか――水産業界の次の一手は、市場の宗教構造まで視野に入れた戦略設計にかかっています。ハラル・ジャパン協会は、ハラルビジネスにおけるニッチトップ戦略の立案から実践までのお手伝いをいたします。いざ進出!!

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