ケニアのスーパーマーケットでは宗教的多様性にどう対応する?!
ケニア編 第二弾!
前回のハラル認証マークに続き、今回もニッチな分野をニッチな視点からお届け。
個人旅ですが、目新しい世界なのでリポートします。
※ケニアの基礎知識は前記事で少し触れているので、ご興味ある方はぜひこちらもチェックしてみてください。
→ ケニア編 第一弾(ケニアでハラル認証マーク発見!)
さて、今回の本題「ケニアのスーパーマーケット」。
皆さんはアフリカ・ケニアと聞くと、どんなスーパーを想像しますか?
少し散策して覗いてみました。

(ナイロビ:Galleria Mall )
ただし、ケニアは一部治安が悪く危険な地域もあるため、街中を歩くにも注意が必要です。
今回はローカルではありますが、ショッピングモール内にある比較的良質なスーパーです。
店内はとても広く、各コーナー充実した品揃え。
お肉コーナーはこちら。
チキン・ビーフ・ポーク・ゴート・ラムなど、アフリカらしくお肉の種類は豊富で一通り揃っています。発展途上を感じさせない、むしろ基本水準以上のラインナップに見えます。
東南アジアのように、ポークは別室・別コーナーで販売というムスリム対応の配置にはなっていません。
たまたまムスリムの方がいらっしゃいましたが、構わず鶏肉・牛肉を選んで買い物をしている様子でした。
パッキングや表示がしっかりしてあれば販売場所が同じであっても、気にし過ぎる事はないのかもしれません。
その他、食材・お菓子類・生活用品・コスメなど回りましたが、目立ったハラールコーナー等はなく、認証マークも見つかりませんでした。
ちなみにケニアでは、通貨はケニアシリング(Ksh)を使用します。
為替は約 1 ksh = 1 円
日本人にはとても分かりやすいレートです。
野菜や果物などは、量り売りが基本のようでとにかく安いのが魅力的です。
しかし、農作物を除きだいたいの物価は日本とあまり変わらないか、やや高く感じました。
都市部かつ高めのスーパーではありますが、ケニアの平均収入が日本の10分の1程度と考えると、高いように思えます。
最後に化粧品類について。ケニア人の個性ともなる髪や肌のケア商品がとても多いです。
スーパーのみならずモール内にはエクステやウィッグ・ターバンなど、アフリカ文化を象徴するヘアショップが多く並びます。
時間に限りもあり、メイドインジャパンの商品は残念ながら見つかりませんでしたが、台湾製(Made in Taiwan)の化粧品を発見し、輸入品の幅の広さが少し伺えました。
アジアで製造しアフリカへ輸出、という販売ルートも販路拡大の一例になります。
今回、こちらのスーパーマーケットではムスリム対応が見受けられませんでしたが、ケニアのように複数の宗教や民族が共生する地域社会では、特別な対応・差別化をあえて大きく見せない事が宗教的多様性への適応とされるのかもしれません。
ヴィ―ガンやベジタリアンなどと同じように、選択肢のひとつとして自然と並ぶようになるとイスラム市場はより身近になりそうです。
同時に、世界中どの国にもあるようにケニアにも区別化とも言えるアッパー層向けスーパーやお店は多数あります。
現地ではケニアドルだけでなく米ドルも併用していることから分かるように外国人対応やインバウンド(観光業)にも力を入れています。
地元のケニア人や旅行代理店すらも予約が出来ず、観光客のみが予約可能のホテルがあるほどです。
つまりターゲットを的確に絞り適切に提示できれば、それ以上の価値を見出せる可能性はあります。イスラム圏を視野に入れつつ、それらを網羅する販路拡大も良いかもしれません。
少し風変わりな視点ですが何かお手伝いできることがあれば、ぜひ協会へご相談ください。
以上、ケニア市場からのリポートでした!
次回は、中東カタール編「ラマダン中と明けのドーハ」をリポートします。
文責
ハラル・ジャパン協会
事務局 広報 株本