ラマダン中と明けのドーハは何が違う?
現地リポート、カタール編!
2025年3~4月にカタール(ドーハ)へ行ってきました。
個人旅ですが、イスラム圏の近況をリポートします!
少しだけ、カタールの基礎知識。
カタールは中東のペルシャ湾岸に位置します。(首都:ドーハ)
人口は260万人程ですが、生粋のカタール人は少なく移民が7割以上を占めているという特異な環境を持ちます。
主要収入源が石油やガスなど天然資源に恵まれているため、経済も安定し治安も悪くありません。観光やインフラも急成長し、小さい国でありながらGDPは世界トップクラスととても裕福な国です。
近未来的な高層ビルが建ち並ぶ都市と、砂漠や遺跡など歴史的な文化が融合された魅力的な地でもあります。
信仰宗教については、移民が多いですがイスラム教を国教としているので、生活はもちろん観光でもイスラムの習慣を理解しておく必要があります。
それでは、今回のテーマであるラマダン。
「ラマダン期間中」のドーハの様子を見てみましょう。

(Souq Waqifスーク)
日本には無い習慣なので、想像しづらいかもしれません。
ラマダンとは、ムスリムが日の出から日の入りまで飲食を断つ「断食」を行う神聖な月で、これは自己を清め信仰を深める期間となります。
開始日は毎年異なりますが、今年は2025年2月28日~3月29日でした。

(スーク内ショップ)
ラマダン中は、ほとんどのお店が閉店しています。
人通りも少なくとても静かな雰囲気です。
2019年にリニューアルオープンした博物館

(カタール国立博物館)
このような施設は観光客が多いはずですが、営業に関してはインバウンド関係無くどこも閉館するようです。
間違えて来てしまった観光客以外、誰もいません。
こうして閑散とした街中を見た翌週、「ラマダン明け」のドーハの様子がこちら。
お店は開店し、人通りも増えて街が賑わい始めます。
博物館も開館し、カタール文化・歴史を学ぶことが出来ます。

(カタール国立博物館)

(Place Vandome Mall)
ショッピングモール内にはフードコートもあり、面白いほどに世界各国のファストフードが揃っています。
中華・韓国料理・タイ料理・インド料理・モンゴル料理、イタリアン・アメリカン(ハンバーガー・ピザ・チキン他)など。
ラマダン明けで特に活気づいているのか、席がなかなか確保できないほど混雑しています。
チキンひとつ買うにも20分待ち。
もちろん日本食もあります。
寿司ロールが日本のお寿司として広く認知されるのは少し違和感がありますが、フードコートや軽食店でお寿司やお弁当が並ぶのはとても嬉しいことです。
残念ながら、スパイス系のメニューや味が濃い料理店と比べると日本食は人気がないようです。
単純にお寿司の質と、お店の強すぎる創作性が原因かもしれませんが、こうした大衆向けの場所では寿司よりも、日本の唐揚げ・串揚げ・手羽先・ラーメンなど重ためB級グルメのほうがまだまだ海外展開としては可能性があるように思えます。
そして最後に、アラビア料理店のビリヤニ。

(Baith Maryam Brothers)
チキンとシーフード(海老)の2種類。辛さはソースで調節できます。
どちらも香りが強く、具材の違いのみで味に大差はありません。
何より、量の多さが印象的。
一皿35~50リヤル1500円程度と特に例外的な値段ではないので、現地で受けるには値段以上に1人前のボリューム感がポイントになりそうです。
(約1カタールリヤル= 40円)
ラマダン中と明けのドーハの様子、いかがだったでしょうか。
カタールの街や人の様子から分かるように、断食期間中はイスラム教徒の動きが遅い、もしくは一旦止まります。
そしてこれはビジネスにも大きく影響してきます。
先日、弊会でもムスリム向け試食会を開催しましたが、商品や人員だけでなく、ラマダン期間を配慮した日時調整を行いました。
たとえ日本側の準備が整っていたとしても、ムスリムの動きに合わせ足並みを揃えていく必要が出てきます。無論、それらを前提としたプランニングが重要になります。
ハラル・ジャパン協会は様々な活動を行っていますが、このようなあらゆるムスリムの習慣・イスラムの文化を考慮した上で、各企業様に適した提案・コンサルティング・輸出進出支援等、多角的にサポートをしています。
何かお手伝いできることがあれば、ぜひご相談ください!
次回は「ドーハの日韓混合レストラン?」をお届けします。
文責
ハラル・ジャパン協会
事務局 広報 株本