Thailand Week 2013 シンガポールレポート Vol. 4
今回は7月24日から28日にシンガポールで行われた展示会、Thailand Week(タイトレードショー)の様子を報告します。過去最大規模となった今年の出店数は141社。食品の29社、化粧品・健康食品26社、宝飾品22社を中心に大変賑やかな物産展となりました。今回は特に化粧品・健康食品ブースに注目してみたいと思います。
場所はサンテック・シンガポール国際会議展示場です。隣接しているショッピングモールが現在改装中で、完成すると約28,000坪に400店舗が入居する大規模商業施設になります。ちょうど一期工事が終了し、シンガポールで最大規模のユニクロがオープンしたばかりです。
では早速入ってみましょう。
まず目を引くのは化粧品・健康食品ブースの多さ。アジアのビューティ―ブームの縮図のようです。こちらはタイブランドのオーガニックコスメ。スキンジェル、フェイスウォッシュ、デオドラントスプレーと幅広く展開しています。天然由来の植物成分のみ使用しているとのこと。
こちらは育毛剤。シャンプー、コンディショナー、ヘアトニックを製造しており、薬草成分を使ったヘアケアに特化しているのだそうです。薬学研究所での成果を強調していました。
続いては抜け毛防止剤。女性向けにPRしていますが、「もちろん男性にも使っていただけます。」ここでも天然成分使用を強調していました。聞くと、タイでは女性のストレスによる抜け毛の悩みが増えているとのこと。所得が上がると新しい市場も生まれてくるということですね。
こちらは蚕を使ったスキンケア商品。日本の技術を使ってタイで生産し、今ではタイ国内だけでなく日本にも輸出しているそうです。タイの化粧品市場について聞いたところ、「お客様は日本ほど細かい事は気にせず買って行かれます。値段は日本と変わらないのですが、お陰様で売れています。」 思いがけないところで日本の技術移転の成功例に会えました。
こちらはオーガニック系のコスメOEM会社。タイでの生産に拘っているとか。
こちらは健康食品売り場。シンガポールでも関心が高い健康食品、来客が絶えませんでした。
日本には若干劣るものの、タイは東南アジアでは最大の大豆脂の生産地です。植物油が並んでいました。
タイハラルのマーク付きです。
こちらはロンガンと呼ばれるライチに似た果物の粉末飲料です。舌に少し甘さが残る味でした。夏バテ気味のカラダにいいかもしれません。
その他では蜂蜜や
こめ油
もち米を使ったデザートにもタイハラルのマークを確認できました。
今回は視点を変えてシンガポール以外の国によるハラルへのアプローチを視察しました。マレーシア産の化粧品にハラルマークは散見されるのですが、タイはまだ途上のようです。ただタイの化粧品メーカーはハラル対象外である豚由来コラーゲンなどの成分を使用せず、天然成分使用を全面に謳っていました。
最後に化粧品の消費動向を確認してみましょう。各国の一ヶ月にかける費用と一人当たりGDP比率をチャート化しました。
2010年に行われたインターネット調査によると、タイ人が一ヶ月に化粧品にかける費用は4,052円で、これは一人当たりGDPの14.72%に当たります(年額を12月にて平均化)。タイにおける化粧品普及率は20%未満との報告もあり、まだまだ拡大する余地があると思われます。
アセアンの年率成長率が6%前後、インドネシアの過去5年間の可処分所得年平均成長率は10%との調査報告(ユーロモニター・インターナショナル)もあります。ハラル・ジャパン協会では以前からハラルの化粧品・健康食品の可能性を指摘していますが、これらデータはその論拠の一つとなるでしょう。
(ハラル・ジャパン協会 シンガポール: 横山)