ヴィーガン対応メニューを始めるお店がやってはいけない3つのこと「ヴィーガンコンサルタントの視点」
6月に「 Beyond sushi: Japan expands veggie options to tempt tourists 」(日本語:外国人観光客を誘惑するために日本はヴィーガンメニューを拡大している)というタイトルの記事が海外のメディアで話題になりました。
ヴィーガン対応のお店が一番多い場所は東京ですが、その他の観光地でも、ヴィーガン、ベジタリアンを含め多くの外国人が訪問しており、飲食店がヴィーガン対応メニューの重要性を感じているでしょう。
今回の記事では、これからヴィーガンメニューを導入するお店や、軽くヴィーガン対応をしているお店がやってはいけないことを3つ紹介します。この3点を避けることで、お店がベジのお客様にも高く評価されるので、ぜひご参考ください。
1.お客様を損にさせてしまうこと。
例えば、ランチセットがあるが、デザートはヴィーガンではないため、ヴィーガンのお客様にデザートなしで提供するお店は時々見かけます。その場合、ランチセットの価格をそのまま支払うが、デザートが食べられないお客様が損をしてしまいます。
このようなことが想定される場合、ヴィーガンのお客様向けに代わりに提供できるものを用意しましょう。例えば、デザートであれば動物性不使用のアイスクリームをご用意できます。調理が不要で、冷凍庫で長く保存できるので手軽です。
また、ヴィーガンの代わりのものを用意できない時に、追加料金や別のメニューとして提供しましょう。食べたいお客様のみ注文ができ、食べられないお客様は損をしません。
2.ヴィーガン対応メニューを充実させないこと
ヴィーガンメニューは食事一品のみのお店も見られます。しかも、お好み焼き屋さんの例でいえば、ヴィーガンマヨネーズも用意していないことがほとんどです。
確かにヴィーガン、ベジタリアンの方が注文できるものがあり、困らないのがありがたいかもしれません。でもそのようなお客様も本当のおもてなしを体験できるよう、さらに努力すると良いです。ヴィーガンのお客様でもそうではないお客様となるべく同じような食事を体験できるとベストです。
ヴィーガン対応メニューを充実させるために、料理のほか、ドリンクやデザートも考える必要があります。ドリンクは例えば、ラテやスムージーなどに豆乳、オーツミルクなどの植物性ミルクを用意するとお客様がさらに喜びます。また、はちみつ入りのドリンクがある場合、はちみつなしの対応もしましょう。
3.ヴィーガンじゃないものを間違えて提供すること
同じキッチンでヴィーガン、ノンヴィーガンのメニューがあると、間違えて別のものを出してしまう恐れがあると思います。
ただし、アレルギーのある方の注文を間違えることと同じく、ヴィーガンの方にヴィーガンではないものを提供してしまうと大きな問題になります。このようなことがあると、そのお客様が常連だとしても、お店を信頼できなくなり、次回はその店を選ばなくなる可能性が高いです。それだけではなく、口コミなどで、ヴィーガンコミュニティーで知られたら、他のヴィーガンのお客様もお店を避けてしまうかもしれません。
そうならないために、必ずスタッフ研修を行い、ヴィーガンへの対応について理解していることを確認しましょう。(VeganOmotenashiでもスタッフ研修実施可能です)
最後に、ヴィーガン、ベジタリアン対応の重要性が増加している中、これまでヴィーガンメニューがなかった、または、軽くヴィーガン対応をしていたお店はステップアップし、競争に負けないようにしましょう。
さらに、ヴィーガンの方はコミュニティにつながっており、口コミやおすすめがオンラインやオフラインで共有されます。以上の3つのことを確認し、きちんとヴィーガン対応ができるように行動をすれば、ヴィーガン、ベジタリアンのお客様が増え、高く評価されるはずです。
ルーマニア出身で、2015年に在日。その直後、ビーガニズムを発見し、段階的にヴィーガン生活に移り変わった。 彼女は日本でヴィーガンとしての生活の厳しさに気がつき、 ヴィーガンホスピタリティの研修プログラム に参加し、資格を獲得し、2022年にヴィーガンホスピタリティコンサルティング事業である「Vegan Omotenashi」を立ち上げた。
Vegan Omotenashiの目標は、日本全国のレストランやホテルにヴィーガンに関する教育とメニュー導入サポートを提供し、ヴィーガンの顧客へ対応を推進することである。