【水産界】7月号にハラル・ジャパン協会×三育フーズ株式会社のインタビュー記事が掲載されました。
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三育フーズ株式会社
千葉県に拠点を置き、植物たんぱく食品やゴマ加工品など、プラントベースの自然素材を使用した製品を主に扱っている。健康志向のニーズにも応え、心と体の健康を育む創業100余年の老舗食品メーカー
ニッチからメインに?!自然食品の親和性
~ ハラル認証が後押しする新展開 ~
自然食品が、健康志向の方・クリーンラベル志向の方・安心安全志向の方々へ響くだけでなく、実は本質的にハラルとの相性が良い―――その価値に目を向け、戦略的に捉えた三育フーズは弊会*推奨マークのみならず、今年4月にハラル認証も取得。ハラルビジネスに取り組む過程や背景、そして今後の展望など、今回は林副社長にお話を伺いました。
Q.1 ハラル認証を取得したきっかけは何ですか?
大きなきっかけは昨年の展示会ですね。
弊社は元々ベジタリアンの製造食品メーカーで、東京オリンピックの開催時期は巷で「ベジタリアン」「ヴィーガン」がフィーチャーされていました。しかし、実際は思いのほか落ち着いていたんですよね。もっと皆さんに知ってもらいたいと思う一方、ベジタリアン市場の現実は想像以上に厳しく…。
他にどんな市場があるか調べていたのですが、その中で、ムスリム向けのハラル食品というのは、意外と国内外にお客様が多いのではないか?と考えるようになりました。その頃にちょうど、プレミアムフードショーでハラル・ジャパン協会がブースを出しているのを知り、私も見に行ったんです。そこで色々とお話を伺い、そのあと代表の佐久間さんにも相談ができたことがきっかけとなり、まずはハラル推奨マークから始めてみよう、とそんな流れで始まりました。推奨マークの取得後、次はハラル認証も取ってみよう、とステップアップのように頑張り、1年間の準備と整備、集中期間は実質数ヶ月でしたが、先月ついにJHFのハラル認証を取得することができました。
Q.2 ちなみに、推奨マークとハラル認証の両方を取得されましたが何か違いは感じますか?
そうですね、これは言っても大丈夫でしょうか?(笑)
推奨マークは商品単位なので5商品、ハラル認証は施設単位なのでなるべく多く取得しようと思い最終的に28商品が通りました。
まず、推奨マークをいただいたヴィーガンハムとコンベジ(コンビーフ風大豆食品の缶詰)ですが、これがハラル認証ではNGになりました。
当然、原料はベジタリアンの原料なのですが、たまたま便宜上というのか、原料の商品名に「ポークエキス」「ポーク〇〇」というような言葉が入っていたんですね。最初の視察の時は大丈夫だったのですが、この名前は紛らわしいのでダメ!というフィードバックを受けまして…。
原料的にはOKですが、名前がNGということですね(笑)なかなか厳しいものだなと感じました。
「ハム」についても実は「大豆のハム」はOKでしたが、「ヴィーガンハム」はNGとなってしまったりと、審査にも色々と基準があるようです。読者の皆様の中にも、これからハラル認証を目指す方がいらしたら、この「名前も審査対象になり得る」という点は参考になるかもしれません。
Q.3 ハラル認証を取得した商品について教えてください。
ぜひ紹介したいおすすめの代表商品は「黒ゴマクリーム」です。甘いのでパンやお団子に塗ったり、アイスと混ぜたりしても美味しく召し上がっていただけます。あとは、少しお醤油を混ぜて胡麻和えとして使うこともできます。
実はこの商品には、もう1つ嬉しいエンブレムが記載されるんです。それは、昨年11月に発表された日経POSセレクション2025ロングセラーです。日経のPOSデータを元に計った統計の結果、ですが、この黒ゴマクリームが、2015年から2024年までの10年間、甘味系カテゴリー(その他スプレッド)で売上ナンバーワンを獲得しました!(ジャム・チョコクリームなど除く)これには我々も本当にビックリです。そのエンブレムも記載して、また新たに7月から販売を開始する予定です。そして、これもハラル認証を取っているので、更に多くの方に手に取っていただけると嬉しいですね。
Q.4 ハラル認証を取得するにあたり大変だった事はありますか?
何と言ってもやはり、原料ひとつひとつの内容を全て書類で提出しなければならないところですね。結構大変で、とてつもない作業でした。結果28商品、最初はもう少しありましたが、とにかく原料は果てしなかったです。この黒ゴマクリームだけでも5原料とかで・・・。自社工場なので全体の設備環境チェックを行い、ノンハラル商品のアルコールや薬剤のコンタミ確認などもしましたが、それ以上に原料の書類作成が大変だった、という印象ですね。とにかく数が多かったのが、そう思わせているのかもしれません(笑)
とはいえ、原料審査が一番大事なところですから、問題がないようしっかりと取り組みました。
Q.5 ハラル認証を取得して変化した事はありますか?
2026年4月に取得したばかりでまだまだこれからですが、早速ハラル関係の展示会に出展できることになりました。ハラル商品を揃える企業として、JHFやハラル・ジャパン協会から様々なご案内をいただけるようになり、ハラル認証を取得したことで、より自信を持ってイベントなどに出ていけるようになりました。活動の幅が広がったことが大きな変化のひとつですね。
Q.6 主な輸出先・販売先はどこですか?
現在は国内のスーパーや小売店、飲食店がメインです。海外については、展示会などを通して商談の機会もいただけるので、マレーシア・シンガポール・タイなど、まずは相互認証で対応できる国へ頑張って挑戦していきたいですね。ハラル対応ができるようになったので、インバウンドなど国内需要の対応はもちろんのこと、海外展開・販路拡大どちらにも力を入れていきたいと考えています。
Q.7 今後の課題と展望について教えてください。
課題としては、現在の物価高・原料高に加えて、中東情勢の影響を受けた包材の値上がりなど、環境の変化に対応していくことです。なおかつ今後は包材が手に入らなくなる可能性もある…という話を聞きながら、製造業としては、難しい環境の中でも何とかして進む方法を見つけなければならない、というところでしょうか。
ここ5年10年で世界が目まぐるしく変化しているので、どんな環境にも対応し負けないようにしていきたい、というのが今の正直な気持ちですね。
そして、ベジタリアン・ヴィーガンはインバウンドやホテルなど需要自体はたしかにあるのですが、上品なメニューが多かったりするので、沢山販売するというのはなかなか難しいんです。商売としても、ある程度は物量を動かしていかなければならないので、ベジタリアン・ヴィーガン市場はそこが厳しいところです。
例えば、プラントベースのものを主に製造していますが、中には蜂蜜が入っている商品もあります。
ヴィーガンとしては、蜂蜜も食べられない方が多いですが、ハラルとしては問題がないので、
そうした点で、実はハラル市場は我々のコンセプトとすごく親和性があるんですね。
ベジタリアン・ヴィーガンは国内ではニッチな市場ですが、海外のハラル市場では”自然食品の良さ”がむしろ適していて、より大きな価値として受け入れられる可能性があります。
展望としては、その相性を活かしながら、やはりベジタリアンにこだわっているので、その中で我々がもっている商品をできるだけ多くのお客様に届けていくことです。
そしてハラル認証の後押しも力に、様々な方に食べていただけるよう努力を続けていきたいと思います。
Q.8 最後に読者の皆様へひとこと
一次産業の皆様を本当に尊敬しています。農業・漁業どちらも自然の中から、そのものを調達し、安定的に供給するというのは本当に大変な事だろうと思います。私達は、そこから加工し二次活用・三次活用させていただいています。食品を安心・安全に、そして安定的に皆様に届けることが製造メーカーの使命であると考えています。安定的というのは至難の業ではありますが、食品業界全体で協力しどんなことがあっても続けていく――そんな志を大切にしていきたいです。
※ハラル推奨マークとは、ハラル・ジャパン協会認定の「成分ハラル推奨マーク」のこと。
成分がハラルである商品にノンポーク・ノンアルコール表示対応の推奨マークを発行しています。このマークはムスリム(イスラム教徒)だけではなく、ベジタリアン(完全ヴィーガンではない)にも対応できます。































