富山県インバウンドセミナーレポート~ハラル×トリップアドバイザーを学ぶ
2019.10.06
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セミナー・イベント
富山県が主催するインバウンドセミナーが9月30日、富山県県民会館で開催されました。会場は県内から集まった、観光事業者や自治体関係者を含む50人以上の受講者で満員御礼でした。
第一部はトリップアドバイザー松本氏による、WEBによる集客の手法を学び、第二部はムスリムやベジタリン含めたインバウンドの基礎をハラル・ジャパン協会の佐久間が講師を務めさせていただきました。
特筆すべきはこの日一番の盛り上がりをみせた、県内在住ムスリムとの意見交換会です。ハラル・ジャパン協会と提携している TMC 富山ムスリムセンターのマゼン代表にお願いして、富山大学の学生含む8名のムスリムをセミナーに招待していただきました。意見交換会は、食べ物やお祈りについてパネルデスカッション風にスタートしました。
ムスリムの国籍はシリア、パキスタン、エジプト、マレーシアと多国籍で、同じムスリムでも嗜好や文化の違いなど様々な意見を聞くことができました。日本の食べ物には興味があり、美味しそうな匂いがするハンバーグなどが食べたいと言っていました。富山でメジャーな寿司に関しても、好きなネタや食べ方がそれぞれあり、そして醤油に関するアルコールへの考え方も様々です。油に関しては植物性であることと同時に、例えば揚げ物なら豚やほかの肉を同じ油で調理していないかどうかが気になるなどの指摘がありました。そして食事は完全にハラルでなくても、ノンポーク・ノンアルコールであれば食べるというムスリムがアンケート調査で約30%いることもわかり、ある程度は寛容の幅があることも確認できました。普段なかなかムスリムと直接話す機会がないので、参加者からはとてもためになったと評判でした。
和やかな雰囲気のなか、終始楽しいひと時を過ごしました。ムスリム意見交換会はムスリムから直接イスラムの教えが学べるセミナーであり、試食や調査もできるテストマーケティング事業でもあります。ムスリムと食べて、話して、学べるような今後はこのような体験型のプログラムへの需要が増えると予想されます。実際に県内事業者も2社ほどサンプル持参で、セミナーに参加していました。
イスラムやハラルの正しい知識を座学で学ぶことも重要ですが、ムスリムと話したり一緒いるだけで色々な発見があるものです。是非、こういう機会を活用してイスラムの文化に触れてみてください。
文責:佐久間