いまハラル・ジャパン協会注目エリアのバングラデシュ JETRO主催 バングラデシュビジネスセミナーに参加報告!!
2025年5月30日、バングラデシュ暫定政権のムハンマド・ユヌス首席顧問の来日にあわせて、「バングラデシュビジネスセミナー」が開催されました。
本セミナーでは、有望な製造大国として注目を集めるバングラデシュへの日本企業の進出について、3本の講演が行われました。
講演を通じて、バングラデシュが今後の最適な投資先である理由として、以下の4点が挙げられました。
1. 人口動態の優位性
バングラデシュでは若年層を中心に人口増加が続いており、豊富で活力ある労働力を有しています。さらに、近年では中間所得層の規模が過去に比べて約2倍に拡大しており、今後の国内消費の成長が期待されています。
2. 優れた地理的条件
バングラデシュは、中東(UAE)と極東アジアを結ぶ水平ハブに位置しており、戦略的に極めて重要な場所にあります。このため、輸出加工拠点(Export Processing Hub)として最適であると同時に、国内にも大規模な消費者市場を抱えている点が強みです。
3. 日本の関与構造の変化
これまで日本は、円借款やインフラ整備などの公的援助(ODA)を中心にバングラデシュと関わってきましたが、現在では民間企業の参入が活発化しており、両国の経済関係は新たな段階へと進展しています。
4. 1964年の日本からのインスピレーション
バングラデシュは、1964年の東京オリンピック開催や新幹線開通など、戦後急速に成長を遂げた当時の日本をモデルとし、短期間での経済発展と国家の近代化を目指しています。
5. 大規模な工業団地の整備
ダッカ市内から車で約1時間、空港からは約40分の場所には、住友商事、JICA(国際協力機構)、およびBEZA(バングラデシュ経済特区庁)が出資する工業団地が整備されました。この工業団地は「Japan quality in Bangladesh」を掲げ、品質と信頼性の高い日本型ものづくりの導入を目指しています。
すでに日本をはじめ、トルコ、イギリス、ドイツなどの企業が操業を開始しており、多くの日系企業も視察に訪れています。
さらに今後の展開として、以下の段階的な発展が予定されています。
●1年後:チッタゴン港からの保税運送ルートを確立し、工業団地内に税関施設を設置予定です。
●3年後:稼働中のフェーズ1に加え、フェーズ2およびフェーズ3の開発を進め、工業団地の拡張を図ります。
●5年後:円借款を活用し、都市高速鉄道(MRT)を整備して空港やダッカ市内と接続し、電車通勤が可能な経済特区になる予定です。
最後に
バングラデシュは、若く豊富な労働力や拡大する中間所得層、戦略的な地理的優位性、日本との経済連携の深化、そして日本型ものづくりを導入した工業団地の整備など、多角的な強みを備えています。ASEAN諸国と比較しても最低賃金が低く、労働力の面でも大きな優位性を有しており、国内市場の成長性にも大きな期待が寄せられています。2024年8月の政変を経た現在も、世界各国からの関心は衰えることなく、むしろ高まりを見せており、今後ますます注目すべき成長市場であるといえるでしょう。
セミナー通り、バングラデシュはイスラム教国でもあり、地政学的に重要な国です。
親日を掲げるバングラデシュへの輸出・進出等の支援は(一社)ハラル・ジャパン協会サポートします。
文責:
一般社団法人ハラル・ジャパン協会
事務局:眞崎春香