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なぜニューヨークでは日本食が高くても売れる?――現地で見えた日本食の価値 現地レポート2/2

2026.10.21
海外レポート

日本で暮らしていると、日本食が特別なものだと考えることはあまりありません。

コンビニに行けばおにぎりがあり、駅前にはラーメン屋があり、スーパーでは普通に抹茶のお菓子が売られています。

ところが、ニューヨークで約1カ月生活していると、日本では当たり前のものが、少し違った見え方をしていることに気づきました。

街を歩けば、「MATCHA」の文字を至るところで見かけます。生活しているうちに、現地の人からは寿司といえば、ロールタイプの巻き寿司をイメージされることが多いこと、「OMAKASE」など日本語がそのまま英語のように使われている場面にも出会いました。

街中で日本人を見かけることはさほど多くありませんが、日本人が思っている以上に、日本の食文化そのものは街に入り込んでいるように感じました。

 

【デリバリーにも日本食のカテゴリーがある】

 

おにぎりがこの値段。それでも売れている

そして、日本人としてどうしても気になるのが価格です。

ある日おにぎりを見て、円換算してみると、1個500円ほどになる場合もあり、驚きました。日本のコンビニなどで150円〜200円ほどで買える身近なものが、ニューヨークでは500円ほどでも普通に買われています。

 

もちろん、ニューヨークはそもそも物価が高く、家賃や人件費、物流費なども日本とは違うので、単純な価格比較はできません。

それでも、場所が変わるだけで日本では身近な商品の価格や価値の見え方がここまで変わるのは面白いところです。

寿司も、スーパーやデリバリーで気軽に食べられるものから、高価格帯の懐石料理のようなものまでかなり幅があります。

現地の人と話していて、日本に行きたい理由を聞くと、伝統文化体験や安全さ、サービスの良さなどと一緒に、「本場の日本食を食べたい」という話もよく出てきました。

しかも、「日本ならもっと安く食べられる」ということまで知っている人もいます。

日本にいると「安くて普通のもの」でも、ニューヨークではわざわざお金を払って食べたいものになる。この価格差を実際に見ると、日本企業にとってまだチャンスのある市場なのではないかと思いました。

【滞在中に日本食が恋しくなって思わず食べた寿司】

 

「それ、日本食なの?」と思うものも売れている

もう一つ面白かったのが、日本食が必ずしも日本と同じ形で食べられているわけではないことです。

ニューヨークはさまざまな文化が混ざる街なので、フュージョン料理として日本食もかなり自由に変化しています。

寿司とタコスを組み合わせたような料理があったり、たい焼きに大きなアイスクリームが乗っていたり。

日本人からすると、「これはもう日本食なのか?」と思うものもあります。

でも、海外で販売する事を考えると日本と全く同じ形にこだわる必要は無いのかもしれません。

おいしい、面白い、写真を撮りたい、食べてみたい。そう思ってもらえるなら、日本の食文化をベースにしながら現地の好みに合わせて変わっていくことも、一つの広がり方なのだと思います。これは企業にとっても商品作りや売り方に関わる重要な点です。

「日本で売れているものを、そのまま海外に持っていく」ことだけが海外展開ではありません。何を日本らしさとして残して、何を現地向けに変えるのか。そのバランスによって、同じ商品でも方法はかなり変わりそうです。

【Sushiタコス】

 

高く売れる=そのまま儲かる、ではない

ここまで見ると、「日本より何倍も高く売れるなら、かなり儲かるのでは?」と思ってしまいます。

私も現地で価格を見ながら、正直そう思いました。

ただ、当然そこまで単純ではありません。

ニューヨークは家賃や人件費も高く、日本から商品や原材料を持ってくるなら物流費もかかります。飲食店ではチップ文化もあり、サービスに対する消費者の感覚も日本とは違います。

つまり、日本との価格差だけを見て「高く売れる」と判断するのではなく、なぜその価格でも買われているのかを見る必要があります。

メイドインジャパンだからなのか、品質なのか、健康的なイメージなのか、珍しさなのか。それとも、単純にその商品がおいしくて人気だからなのか。

そこが分かれば、日本企業側も「日本で売っている商品をそのまま輸出する」「現地向けの商品に変える」「高価格帯を狙う」など、取るべき方法が変わってくると思います。

 

日本人が「普通」と思っているものが、案外面白いかもしれない

今回ニューヨークで日本食を見ていて思ったのは、日本では普通すぎるものでも、海外に行くと意外と価値があるのかもしれないということです。

おにぎりも、抹茶も、日本酒も、日本にいれば特に珍しいものではありません。

でもニューヨークでは、それが日本よりずっと高い値段で売られていたり、現地の文化と混ざって日本では見たことのない商品になっていたりします。

最初は「おにぎりがこの値段?」と単純に驚きましたが、それでも買う人がいるのを見ると、日本人が当たり前だと思っているものの中にも、海外ではまだ可能性のある商品があるのではないかと思いました。

もちろん、値段の高さだけで、その商品の価値やビジネスとしての可能性を判断できるわけではありません。

それでも、海外向けの商品を一から考えるだけではなく、今、日本で普通に売られているものを海外の目線でもう一度見てみるのも面白いと思います。

日本では当たり前。でも、海外ではわざわざ探して、高いお金を払ってでも買いたい人がいる。

実際にニューヨークでそうした光景を見て、日本企業にとっての海外展開のヒントは、意外と身近なところにあるのかもしれないと感じました。

 

弊会では、ハラルをはじめとする多様な食のニーズへの対応や、イスラム圏を中心とした海外市場への展開に向けた商品・販売戦略を支援しています。ハラル対応や海外展開をご検討されている企業の方は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

文責
ハラル・ジャパン協会
田上明日菜

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