Food & Hotel Indonesia 2013 インドネシアレポート Vol.2
今回は、ハラル大国インドネシアから「Food & Hotel Indonesia 2013」の模様を報告します。
「Food & Hotel Indonesia 2013」の会場入り口。2年に1回の開催になり、次回は2015年になります。
今年4月10日~2013年4月13日の3日間、インドネシアの北ジャカルタに位置する、ジャカルタインターナショナルエキスポ ケマヨランにて「Food & Hotel Indonesia 2013(http://www.pamerindo.com/events/3)」が開催されました。
2011年実績(来場者数 : 20783 人、出展者数 : 901 社、展示面積 : 19435 sq.m.)に比較して、今回の2013年は展示社数は前回の 57.7% 増しになり、45か国からの出展になりました。ショーのサイズ自体は45.7%増し、11か国から訪れた訪問者数は 3日間で18.8%増しになりました。
イタリアのブース。イタリアのエリアではチーズ、コーヒー、ジェラート、オリーブオイル、エスプレッソマシーンなどが並んでいました。
ワイン・リキュールなど酒類の出展者も数多く目立ちました。
ホテル関連ではベッドから食器類まで。
5星ホテルで使われる日本の洋食器のブース。その工場はインドネシアにあり、大きく出店していました。
ローカルの電光看板の出店者。日本よりずっと安い値付けです。
数多くはありませんが、日系企業が10社ほど出展していたこのEXPOは、3つのホールにてホテル設備と食品食材とその加工機械をテーマにした展示会です。
展示の中にはハラルカテゴリーの案内がありました。当然ですが、イスラム教徒の多いインドネシアですので、食品のほとんどにはハラルマークが目立ちます。
卸売業者の区画に、多国籍の様々なメーカーさんの小さなブースが所せましと並びます。
日本企業の出展の仕方は、地元サプライヤーが出展する大型ブースの一角を借りるものと、独自のブースを借りるものとが、半々といったところです。日本からの出展者は、メーカー系20%、食品食材系80%に分かれます。
出店者の方のインタビューを試みましたが、食品系の方は皆さんハラルに関してはとても気にしていました。
味噌汁とこんにゃくの甘辛いための試食コーナーも人気でした。
味噌・醤油など和食調味料の会社さんは、昨年話題になった日本国内でハラル認証を取得した味噌や醤油がその後輸出でどのような結果になっているか、というような質問が多く聞かれました。
毎回この展示会に出展しているという日本食品サプライヤーの高齢のビジネスマンは、日本では昨年ひかり味噌さんがハラルを取得したという話に、「本当ならすぐにメーカーに言ってみる」と、とても驚かれていたのが印象的でした。
「味噌はハラルが取得できない※と聞いていたが本当に日本で取得できたのか?もしそうならば、今扱っている日本メーカーにも話をしてみたい。」ということでした。 実は、今までも現地ではハラル認証の要望が強かったものの、それ以上はメーカーさんの判断次第なので諦めていたそうです。
※味噌はその醗酵過程で微量のアルコール醗酵がおこります。
ある日本の飲料メーカーさんの意見も興味深いものでした。
「まだまだ日本ではハラルを輸出戦略に使うところは少ないです。」「国内のハラル認知は初期段階で、インバウンド旅行でムスリムの方が口にする物にハラルマークを付ける動きがようやく出てきたところです。」と日本の国内事情を話しますと、「確かに当社もハラルマークが無くても輸出できています。」「でも、ハラルを付ければもっと行けますが、日本側だとそれが分からないのでしょうね…。ただ、今は放射能の事故以来残留濃度の規制がかかって、ハラルどころではないんです。」と仰っていました。
現地に進出している皆さんが言われるのは、メイド・イン・ジャパンの食品は既に実績も高い評価もあり、ASEANでの進出には自信もあるようなので、現地からハラル取得のメリットや可能性を発信しても日本側(メーカー)で本気でハラル取得をしてくれることはないだろう、ということでした。
震災以降、放射能問題などの難題を抱えながら、熱い心意気でメイド・イン・ジャパンを売りまくろうとしている日本人ビジネスマン(日本製品担当の現地ビジネスマン)の姿には感動を覚えました。私達もぜひ応援して行きたいと思います。
(ハラル・ジャパン協会・大友)