飲食店、ホテルのヴィーガン対応:ヴィーガン顧客が求めている3つのこと
近年では「ヴィーガン」という言葉を耳にすることが増えており、飲食店のメニューでもよく見かけます。国際的に、ヴィーガン、ベジタリアンの他、動物性の食材をたまにしか食べない「フレキシタリアン」も多いです(世界人口の4割)。
日本ではヴィーガンというコンセプトがまだ新しいですが、世界の動向に合わせて関心が高まってきています。
また、昨年2022年の秋からインバウンドの受け入れが再開し、ヴィーガン食の需要が急増しました。
このような食文化の中、飲食店、ホテルなどはお客様を対応する前に、まずどのようなことを求めているのかを理解する必要があります。ヴィーガンコンサルタントの私の視点で、ヴィーガンの顧客が飲食業に求めていること、期待していることを以下の通りまとめました。
1 栄養のバランスを考えたメニューであること
まず一つ目は、栄養バランスです。例えば、お肉や魚がなくても、代わりになるタンパク質の食材を入れてみましょう。大豆ミートや豆腐、豆類、麩などが考えられます。
パスタであれば、シンプルなトマトソースだけではなく、大豆ミートを使ったボロネーゼや、野菜などが入ったパスタを考えてみましょう。
カルシウムなど、細かいところまでは気にしなくてもよいですが、タンパク質、炭水化物、食物繊維の3つを含めれば十分です。
2 メニューにどのアイテムがヴィーガンなのか分かるように表示すること
次に、ヴィーガンの顧客が完全にヴィーガンではないお店に入ったら、何がヴィーガンか、メニューを見て判断できる仕組みが必要です。表示の仕方が様々あります。ピクトグラムでヴィーガンアイテムを示したり、ヴィーガンアイテムの最後に括弧で「vegan」と書いたり、別途でヴィーガンメニューを持っておいたりすることができます。ヴィーガンの顧客が判断しやすければ、どの方法でもいいです。
ただし、ヴィーガンがまだ普及しにくい日本では、別途でヴィーガン専用メニューを作ると、ヴィーガンではない顧客がそのアイテムの注文を控えてしまう可能性があるため、別途でヴィーガンメニューを作った場合でも、ヴィーガンアイテムを通常にメニューにも加えることがおすすめします。
また、ベジタリアンやその他の食生活に向けたメニューアイテムがある場合に、区分して表示しましょう。
3 スタッフがヴィーガンの知識を持っていること
飲食業で活躍する人であれば、必ず食の多様性について知る必要があります。
ヴィーガンメニューアイテムが明確になったとしても、顧客がメニューについてスタッフに質問をする場合があります。
例えば、ヴィーガンとして表示されていないメニューの中で、「これはヴィーガンではないですか」などです。その場合、スタッフがヴィーガンの基礎知識があれば、なぜそのメニューがヴィーガンではないか、顧客に説明できるはずです。料理を提供するスタッフだけではなく、キッチンスタッフも同様にヴィーガンの基礎知識が必要です。
また、そのような知識を付ければ、ヴィーガンメニューが導入されたときに、スタッフのモチベーションアップにもつながります。研修に関しては、Vegan Omotenashiが実施可能です。お気軽にお問い合わせください。
最後になりますが、ヴィーガン顧客の多くがまだインバウンドであることを忘れてはいけません。そのため、英語のメニューを必ず用意しておきましょう。
※飲食業向けヴィーガンメニュー導入に関する記事を月1回程度発信致します。ご興味がある方は是非お読みください。
ルーマニア出身で、2015年に在日。その直後、ビーガニズムを発見し、段階的にヴィーガン生活に移り変わった。 彼女は日本でヴィーガンとしての生活の厳しさに気がつき、 ヴィーガンホスピタリティの研修プログラム に参加し、資格を獲得し、2022年にヴィーガンホスピタリティコンサルティング事業である「Vegan Omotenashi」を立ち上げた。
Vegan Omotenashiの目標は、日本全国のレストランやホテルにヴィーガンに関する教育とメニュー導入サポートを提供し、ヴィーガンの顧客へ対応を推進することである。