【インドネシア】日本で経験できない、ラマダンからイードフィトリまでのユニークな伝統
ジョグジャカルタ — インドネシアは、世界一ムスリムの人口が多い国である事を幅広く知られています。インドネシアには、昔から日常の生活の一部になったラマダンからイードフィトリまで、今も伝統的な生活が続いています。
特にジャワ島を中心とした地域では、イスラム教とジャワの文化が交わって出来た伝統があります。まずはラマダンの前に始まる、Nyadran「ニャードラン」という伝統があります。Nyadranとは、ラマダンの前に、皆で墓場を掃除し、死者に祈りを捧げることで、何百年も前から続いています。Nyadranはサンスクリット語のsraddhaから来た言葉で、信念を意味しています。
Nyadranの次には、Padusan「パドゥサン」です。このPadusanもジャワ人が毎年欠かさずやっている伝統でもあります。Padusanはジャワ語の言葉で、入浴を意味しています。このPadusanはラマダンの先日に中央ジャワやジョグジャカルタなどで行われる儀式です。ジョグジャカルタの人々は毎年ほとんどParangtritis海でPadusanをやっています。
ラマダンに入ったら、断食をする前に、朝一の食事、Sahoor「サホール」があります。日本と違って、インドネシアだとSahoorの目覚まし呼び声が2時頃からなっています。Sahoorの目覚まし呼び声は預言者ムハマドの時代からすでにあった伝統です。インドネシアだと、モスクの目覚まし呼び声以外に、子供たちが近所を回って、物を叩きながら、近所の人々を起こします。
そうして、Sahoor、断食する前の食事です。Sahoorは朝早く「2時、3時から4時まで」断食する前の食事です。インドネシアのSahoorはいつも家族と一緒に家で食べますが、最近の若者や一人暮らしの学生たちとかはカフェだったり、レストラン「飲食店の店」で食べます。ラマダンの時だけ、2時から開店している飲食店がいっぱいあります。
日の出から日没まで断食した後、Iftar「断食明け」、ムスリムの皆さんがお待ちかねの時です。断食明けは、昔からモスクでムスリムの皆さんと一緒に行われます。大体16:30か17:00から、モスクに集めて、断食明けの時間を待ちながら、イスラム教の牧師から講義を聞きます。ラマダンの時、断食明けの後、とある礼拝があります。その礼拝はタラウィーという礼拝です。普段はモスクで、他のムスリムと一緒にする礼拝だけど、家でも、一人で礼拝しても大丈夫です。
一ヶ月ほどのラマダンが終わったら、いよいよイードフィトリがやってきます。お盆と同じように、イードフィトリの時には、ムスリムの皆さんがMudik Lebaran「イードフィトリの故郷帰り」があります。イードフィトリの1~2週間前に、ムスリムの方たちが故郷に帰ります。イードフィトリには、家族や故郷の近所のムスリムたちと過ごす事が昔からの伝統です。「インドネシア全国」インドネシアから近いマレーシアにも同じ伝統があります。
ラマダンと同じく、イードフィトリの前にも、色々な伝統アクティビティがあります。ラマダン最後の夜はタクビルという普段はモスクで行うことを、インドネシアでは昔からタクビルしながら、村や町を歩き回ります。子供たちが楽しく参加できるよう、松明を持ちながら、Takbir Keliling「タクビル・クリリング」が行われます。
イスラム教には、イードフィトリの前に、Zakat Fitrah「喜捨フィトラー」という喜捨があります。喜捨フィトラーは国によって喜捨するものが違います。その国の主食で決められます。例えば、インドネシアだと主食はお米なので、一人が2.5kgのお米を喜捨する決まりがあります。喜捨はラマダンの最後の2日間からイードフィトリの礼拝が行う前でにモスクに集めなければいけません。喜捨はムスリム学者がミムバーに上がる前に配られます。
イードフィトリはラマダン後のお祝いみたいな伝統で、その伝統には、朝に行われるお祈り、Shalat Idul Fitri「イードフィトリの礼拝」があります。イードフィトリ礼拝はいつも広い広場かモスクで行われる、イードの朝「6時~7時の間」の礼拝です。礼拝場に間に合わない場合、家でも出来ます、特にコロナの時は、ほとんど家で家族と一緒に行われます。「イードフィトリはSyawwal 月(شوال)の1日」
イードフィトリの礼拝が終わった後、ムスリムの皆さんが家に帰って、一緒にお食事をします。30日間の断食した後、イードの日は特別な、イードの伝統的な料理やお菓子などで家族や親戚と一緒に食事をして、イードをお祝います。イードフィトリの食事後、Halal Bihalal「許しあう伝統」があります。ゆるしあうのはインドネシアの昔からのイードフィトリの伝統です。
イスラムが生まれた国のサウジアラビアでさえない伝統です。この日のために、ラマダン最後の一週間は、ムスリムの皆さんが故郷に帰ります。家族全員が集まり、近所や親戚の家を訪ね、お祝いをします。
インドネシアのムスリムの皆さんはこうやって年一回のラマダンとイードフィトリを過ごしています。日本にない素敵なイスラム教の伝統をインドネシアで体験してみてはいかがですか?
ハラル・ジャパン協会インドネシア支部
Lina Setianingrum