ハラル対応、難しそうで手が出せない?──食品開発展で聞いた“本音の悩み”とは
2025年10月15日〜17日、東京ビッグサイトで開催された「食品開発展2025(Hi Japan)」では、「健康・美味しさ・安全・ロングライフ」をテーマに、原料・添加物からOEM、分析技術まで、食品業界の最新トレンドが一堂に集まりました。

弊会もブースを出展し、「ハラル対応」や「海外進出・輸出」に関する相談対応やヒアリングを実施しました。来場者からは「ハラルには興味があるけれど、何から始めれば良いのかわからない」「宗教的に問題のある原料の判断基準を教えてほしい」「取引先からハラル認証を求められて困っている」といった声が多く寄せられました。
ハラル対応を含め、海外展開を意識する企業ほど宗教・文化面のリスクに敏感になっており、「何に気を付ければいいのか」「そもそも自社製品はハラル的に問題があるのか」といった不安を抱える担当者が目立ちました。

特に多かったのが、「自社商品のどこにリスクがあるのか分からない」という声です。食品添加物や香料、動物由来原料などは国によって基準が異なるため、「国ごとにOK・NGが違って判断がつかない」と戸惑う方が少なくありません。
中には「すっぽんやサメなど、動物性素材はハラル的に問題ないのか?」という具体的な質問もあり、宗教上のルールだけでなく、輸出規制や安全基準の観点も含めた総合的な理解が求められていると感じました。
一方で、「国内販売が中心で、ハラル対応まで余力がない」というお話も多く聞かれました。確かに、海外展開をしていない企業にとっては優先度が下がりがちです。しかし実際には「海外バイヤーから突然ハラル認証を求められた」「輸出時に成分証明を提出できず、商談が止まってしまった」といったケースも少なくありません。
将来的に海外市場を視野に入れるなら、今のうちからハラルの基礎を理解しておくことが重要です。
また今回は、「ハラル対応のOEM工場を国内や海外で紹介してほしい」というご相談も非常に多く寄せられました。自社で製造ラインを整えるのはハードルが高いため、既にハラル認証を取得している工場に委託して製造・輸出を行いたいという企業が増えています。特にASEANや中東市場ではハラル認証が求められることが多く、ハラル対応のOEM工場ネットワークを確保しておくことは今後の輸出戦略に欠かせません。
日本国内にもハラル認証を取得したOEM工場は少しずつ増えていますが、分野によってはまだ限られており、「どこに頼めばよいか分からない」という声が多いのが現状です。
今回の展示会を通して改めて感じたのは、「ハラルは特別なもの」ではなく、「これからの食品ビジネスに必要な基本知識のひとつ」になりつつあるということです。
食品添加物、原料、宗教対応、OEM戦略・・切り口は違っても、共通しているのは「正しい情報を知りたい」「実務的にどう進めるかを学びたい」というニーズでした。
弊会では、ハラルビジネスに関する基礎研修や原料や添加物のハラル性確認、国内外OEM工場の紹介、ハラル認証取得支援、展示会出展サポートまで、実務に即した支援を行っています。
「興味はあるけど、知識がない、何から始めていいか分からない」という段階でも構いません。まずは一度、ハラル・ジャパン協会までお気軽にご相談ください。
文責
ハラル・ジャパン協会
ハラルビジネスコンサルタント 田上明日菜






























