2023台湾ハラル&ベジタリアン食品商談会レポート【前編】
10月19日、ホテルオークラ東京で台湾優良食品發展協會(TQFA)、一般財団法人 食品安全マネジメント協会(JFSM)が主催する「日台フードビジネス連携セミナー・商談会」が開催されました。
台湾では、急速な高齢化にともない健康志向が高まりつつあります。東アジアのなかでもベジタリアン人口が多く、健康関連の食品、レストランが至る所にあります。そして台湾のベジタリアンメニューはとても美味しく日本人の口にも合うので人気があります。
今回のレポートでは、セミナーで興味深かった「台湾代替タンパク質産業のトレンド」を前編。日本へ輸出可能な台湾の安心安全をクリアした機能性食品とフレッシュで健康的な台湾発のアジア食材を後編でレポートします!
台湾代替タンパク質産業のトレンド‼菌由来の「マイコプロテイン」
日本でもベジタリアン食材市場が注目され、大豆ミートをはじめとした代替タンパク質の普及が近年急速に進んできています。日本の大手企業も植物由来の原料を使用したプラントベースのハンバーガーやハムなどを続々と売り出し、スーパーで見かけたことがあるまたは普段の食事に取り入れているという人も多いのではないでしょうか。
そのプラントベースの原料の約7割は大豆由来と言われているようです。しかしながら大豆由来の場合、栽培に時間がかかるうえ広大な農地や加工で大量の水が必要であったり、さらに遺伝子組み換えや栄養価に対する疑問などの問題点も多いようです。
一方、「マイコプロテイン」はキノコなどがルーツの真菌蛋白で微生物が由来。グレープ・キング・バイオ(葡萄王)は、プロバイオティクスと機能性キノコの研究開発に取り組む台湾最大の上場企業で、生産販売やマイコプロテインのOEM事業なども行っています。
日本だと麹菌のマイコプロテインの研究が進められていて、マイコプロテインは2023年に最も注目されている代替タンパクと言われています。
菌由来のマイコプロテインはこんなメリットが!!
高たんぱく、食物繊維含有、必須アミノ酸
ジューシーかつ肉のような食感。加工向き
アレルゲンの心配がない
大豆の臭みがない
霜降りの質感を再現し、固形油脂を組み合わせ、油の分布を調整することで、
食感の再現度が高いヴィーガン和牛やヴィーガンシーチキンも!!
今回、試食がなかったため味は分かりませんでしたが、マイコプロテインを使ったプラントベースミートは肉の食感を持ち水分を逃さずジューシーとのこと。
商談会では、霜降り肉やバーガーパティの形状のマイコプロテインと発酵菌糸体を使用した健康食品を手にとってみることができました。触った感じはぷよぷよで面白いです。台湾も日本と同じ非イスラム圏であり、台湾のハラル&ベジタリアン対応は学ぶべきことが多くあります。
そして台湾はアジアで唯一、マイコプロテインを生産する国というのも驚きでした。プラントベース市場の拡大にともない、マイコプロテインの市場も成長すると見込まれています。カーボンフットプリントも低いので企業が扱いやすいのもメリット。サステナブルな代替タンパク質の需要は高まり大企業が続々と参入しています。ハラル認証も取得しているようなので、ご興味がある企業は是非下記へお問い合わせください。